今回のお目当ては「特製鶏白湯みそらぁ麺」
新宿と聞いてイメージする喧騒とは違い、新宿御苑前駅の周辺には、都心の中にもどこかゆったりとした空気が流れている。オフィスビルやマンションの隙間に、小さなカフェやセンスの良いショップが点在し、暮らしの匂いと洗練が絶妙に同居している場所だ。
その一角に、ふと目を奪われる外観があった。店名は「Ramen Afro Beats」。都会的でスタイリッシュなファサードに、どこか異国の空気を感じさせる名前。自然と足が向かい、ドアを開けていた。
鶏白湯専門と聞き、定番を選ぼうと思っていたが、券売機に記された「特製鶏白湯みそらぁ麺」(1,800円)の文字が目に飛び込んできた。限定という言葉には、どうしてこうも弱いのだろう。迷う間もなく注文していた。ついでにミニ丼があれば頼んでしまうのが自分の定番、もちろん今回も例外ではない。
スタイリッシュな店内だ。どんなラーメンが到着するかワクワクしてきた。
運ばれてきた一杯を見た瞬間、思わず「キレイ…」と声が漏れた。クリーミーなベースのスープに、パプリカのオレンジエスプーマがふわりと浮かぶビジュアルは、まさにインスタ映えするアートのよう。
スープの表面に描かれた色彩と、丁寧に並べられたトッピングに、料理というより作品と呼びたくなる美しさがあった。
スープをひと口すくって口に運ぶ。最初はやさしいコーンスープのようなまろやかさ。そこに少しずつパプリカのエスプーマを混ぜていくと、甘味とクリーミーさが加わり、まるで味が「進化」していくような感覚になる。
時折現れるフライドオニオンの食感が心地よく、口の中にビートが刻まれていくようだった。
チャーシューはしっかりとスモークされており、口に入れた瞬間、香りがふわっと立ち上がる。添えられたレモンは全体に爽やかさを添え、後半の味わいを軽やかにまとめてくれる。
麺は低加水の平打ちストレート。スープとの絡みが抜群で、もっちりしすぎず、ほどよく歯切れもよい。まるでスープと会話をしているように、ぴたりと寄り添ってくれる。
使われているのは熊本県産の「天草大王」という幻の地鶏。これをふんだんに使って長時間炊き上げているという。旨みとコクが層を成し、飲み干すたびに深みにハマるスープだった。
ラーメンの衝撃が強すぎて、うっかり忘れていた。
届いたのは、甘辛く味付けされたそぼろと、とろりと温泉卵が乗った小ぶりなどんぶり。ラーメンを待つ間の前菜としても、食後にゆっくり味わう締めとしても嬉しい一杯だった。丼ものって、スープと一緒に食べると満足感が一段と増す。こういう“ちょっとした贅沢”が嬉しい。
食べ終わったあとの余韻が心地よく、席を立つのが惜しくなった。
ここはただラーメンを食べに来る場所ではない。五感で味わい、空間ごと楽しむための場所だ。静かな路地裏にひっそりとあるこの名店は、大切な人とゆっくり訪れたい。そう、次はきっとデートで来たいと思う。
ありがとう、ごちそうさまでした。
動画で見たい方はこちら
YouTube、Instagram、TikTokでもご覧いただけます。
店舗情報
店舗名 | Ramen Afro Beats |
住所 | 東京都新宿区新宿1丁目16−10 カテリーナ・ネオハイツ 103 |
電話番号 | |
営業時間 | 11:30-14:30 17:00-21:00 |
定休日 |
※店舗情報は変更されている場合があります。