今回のお目当ては「焼肉定食」
昭和の香りを残した街中華『中華太郎』に足を運んだのは、久しぶりの休日だった。雪が谷大塚駅を降り、駅前の商店街を歩いていると、ふと懐かしい看板が目に入る。「ここだ」そう思って暖簾をくぐると、店内は香ばしい匂いに包まれていた。
カウンター席が並ぶこじんまりとした空間。昼下がりだったが、既にサラリーマンや近所の常連らしき人々で賑わっていた。親父さんと女将さんが笑顔で迎えてくれる。狭い店内ながら、アクリル板の仕切りが整えられていて、どこか安心感を覚える。
「焼肉冷やしが食べたいな」そんな期待を胸にメニューを見上げると、夏限定の文字に気づいた。もう少し暑くなってから頼むことにしよう。少し残念に思いながらも、「焼肉定食、お願いします」と口にする。ご飯はもちろん大盛り。待つ間に、鍋を豪快に振る親父さんの姿が視界に入る。その手際の良さに見惚れていると、料理が目の前に置かれた。
目の前には、熱々の焼肉とたっぷりの白米。早速一口頬張ると、肉の香ばしさと白米の甘さが絶妙に混じり合う。マヨネーズを少し加えると、さらにコクが増して、思わず箸が止まらない。ご飯を大盛にしておいて大正解だ。「これはいい」と、満足そうに微笑む自分がいた。
餃子も注文してみた。焼きたてのパリッとした皮の中に、ジューシーな餡が詰まっている。「これぞ町中華の醍醐味」と、心の中で呟きながら味わう。常連さんらしき人たちが親父さんと軽快に会話を交わす声が心地よいBGMのようだった。
「こういうお店が近所にあったらいいのにな」と思う。昭和を感じさせる店構えも、豪快な調理音も、気さくな声かけも、どれもが温かい。料理だけでなく、ここで過ごす時間そのものが特別なものに感じられる。
帰り際、大将に「また来てね」と言われ、自然と「はい」と返していた。次は夏に訪れて、「焼肉冷やし」に挑戦しようと心に決めた。雪が谷大塚の小さな町中華『中華太郎』、そこには昭和の香りと現代の温かさが共存していた。
ありがとう、ごちそうさまでした。
動画で見たい方はこちら
YouTube、Instagram、TikTokでもご覧いただけます。
店舗情報
店舗名 | 中華太郎 |
住所 | 東京都大田区雪谷大塚町11-8 |
電話番号 | 03-5499-1788 |
営業時間 | 11:30-20:00 |
定休日 | 日、月 |
※店舗情報は変更されている場合があります。