今回のお目当ては「全部入りラーメン」
ラーメン好きの友人たちと話していると、必ずといっていいほど出てくる「家系」というワード。濃厚な豚骨醤油スープに太麺、白いご飯との組み合わせが王道だというけれど、私はこれまで一度も家系ラーメンを食べたことがなかった。
理由は単純。「こってりしすぎていそう」「量が多そう」「ご飯と一緒に食べるなんて無理」——そんな先入観から、なんとなく避けてきた。でも、最近になってふと気づいた。「そもそも食べたことがないのに、決めつけていいの?」
そう思っていた矢先、偶然見つけたのが「こいけのいえけい」。なんでも、家系ラーメンを食べたことがない人でも楽しめるお店らしい。しかも、ラーメン好きの間で名を馳せる「らぁめん小池」の系列店。ならば、思い切ってチャレンジしてみようじゃないか。
平日の11時半、私は文京区千石にある「こいけのいえけい」の暖簾をくぐった。運よく並ばずに入店できた。幸先が良い。
店内はL字型のカウンターのみで、こぢんまりとしていながらも清潔感がある。家系ラーメンといえば、男性客ばかりのイメージがあったけれど、意外にも女性客の姿もちらほら。少しホッとしながら券売機に向かう。
トッピングやライスの有無を選べるシンプルなスタイルだ。初めてだが、いや初めてだからこそ全部入り(1,200円)を注文した。
カウンターに座り、目の前で調理されるラーメンを眺めながら待つこと数分。ついに、私の目の前に初めての家系ラーメンが運ばれてきた。
大きな丼にたっぷりと注がれた豚骨醤油スープ。その表面には黄金色の鶏油(ちーゆ)がキラキラと輝いている。スープの中には、もっちりとした中太麺が沈み、トッピングはレアチャーシュー、シャキシャキの小松菜、刻んだタマネギ、そして三枚の大きな海苔。
恐る恐るレンゲをスープに沈め、一口飲んでみる。……あれ?思っていたよりも重くない。むしろ、豚骨の旨味がじんわり広がって、醤油のキレがほどよく効いている。鶏油のおかげでコクはあるけれど、脂っこすぎず、どんどん飲みたくなる。これは美味しい。
続いて麺をすすってみる。もっちりとした平打ち麺がスープをしっかりと絡めとり、口の中で噛むたびに旨味が広がる。レアチャーシューはしっとり柔らかく、噛むたびに肉の甘みを感じる。小松菜のシャキシャキ感と、刻んだタマネギの爽やかな辛みが、こってりしすぎないバランスを作り出している。
「これは、家系ラーメンの概念が変わる……!」
初めての家系ラーメンは、想像していたようなガツンとくる濃厚さではなく、むしろ繊細で食べやすい一杯だった。
マヨチャーシューごはん(250円)もおすすめ。カロリーお化けだよぅ。
さらに、テーブルに置かれた「にんにくですよ」という特製調味料を少し加えると、パンチが効いた味わいになり、箸が止まらない。
気づけば、ラーメンのスープを最後の一滴まで飲み干していた。最初は「食べきれるかな?」と心配だったのに、あっという間だった。
お店を出る頃には、お腹も心も大満足。家系ラーメンはこってりしすぎていて自分には合わないと思っていたけれど、「こいけのいえけい」のラーメンはむしろ上品で、初めての人でも安心して楽しめる味だった。
「家系ラーメンって、思っていたよりも美味しい!」
これまで勝手なイメージだけで敬遠していたことを、少し後悔するほどだった。そして何より、ラーメンの世界がまたひとつ広がったことが嬉しい。
家系ラーメンにチャレンジしたことがない人でも、安心して一歩を踏み出せる「こいけのいえけい」。次は、麺の硬さを変えたり、トッピングを追加したりして、自分なりのベストな食べ方を見つけてみたい。
「また来よう」
そう思いながら、私は次のラーメンの予定を考え始めていた。
ありがとう、ごちそうさまでした。
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店舗情報
店舗名 | こいけのいえけい |
住所 | 東京都文京区千石4丁目25−6 夏野マンション 102 |
電話番号 | 非公開 |
営業時間 | 11:00-15:00 17:30-21:00 |
定休日 |
※店舗情報は変更されている場合があります。