今回のお目当ては「チャーシューメン」
焦るんじゃない 俺は腹が減っているだけなんだ。
夜の街を歩いていると、どこからともなく漂う香ばしい豚骨の香りが鼻をくすぐる。時計を見ると、もうすぐ日付が変わる頃。しかし、俺の胃袋は今がまさにゴールデンタイムだと言わんばかりに猛烈に飯を求めている。そんな時、ふと目に入ったのは「まこと家」の看板。こいつは…いい。夜遅くまで開いている家系ラーメン、まさに今の俺のためにあるような店じゃないか。
ガラリと扉を開けると、店内にはすでに数人の客が麺をすすり、スープを啜っている。カウンターの向こうからは、湯気とともに脂の濃厚な香りが溢れ、まるで俺の胃袋を直接刺激するかのようだ。
「いらっしゃい!」
威勢のいい声に迎えられ、空いていたカウンター席に腰を下ろす。まずは券売機で食券を買う。頼むのは決まっている。「チャーシューメン」(1,200円)に「味付玉子」(100円)のトッピング。ついでにライスも付ける。家系ラーメンには白飯が必須。これはもはや哲学であり、信仰だ。
ほほーん。くきわかめのおひたしをトッピングにしている人もいるようだ。まあ、今日はシンプルにいこう。
「お待ちどうさま!」
ついに俺の前に運ばれてきた。シンプルな姿だが、スープは表面にしっかりと脂が浮き、レンゲですくうと、黄金色の輝きが見える。動物系の野性味あふれる香りが漂ってくる。好き嫌いが分かれそうだが、この強気なスープ、嫌いじゃない。麺は固めでツルツルとしている。
「ほー。いいじゃないか、こういうのでいいんだよ、こういうので」
まずはスープをひと口。香りとたがわず、野性味あふれる動物系の脂のコクが口の中にぶわっと広がる。こいつは強い。だがそれがいい。レンゲを置く暇もなく、すぐに箸を伸ばし、麺をひとすくい。勢いよくすすれば、スープが絡みつき、ツルっとした麺の食感が絶妙だ。これだ、これを求めていた。
続いてチャーシューをひと口。噛めばじゅわっと肉の旨味が広がり、ほどよい脂が舌の上でとろける。さらに味玉を割ると、中から流れ出す半熟の黄身がスープと絡み合い、まろやかな味わいを生み出す。
忘れちゃいけない。レンゲでスープを口に含む。飲み干したい、しかし、ここは理性を働かせ、名残惜しさを噛み締めながら丼を見つめる。
とっくに日付は変わっているが、次々に客が入ってくる。「いらっしゃい!」という声に疲れはない。むしろ力強さすら感じるほどだ。
席を立ち、厨房に向かって「ごちそうさま」と声をかける。店員の「ありがとうございました!」という声が背中を押す。
外に出ると、夜風が火照った体を冷ましてくれる。ふぅ…満腹だ。しかし、不思議とまた食べたくなるこの味。俺は、またここへ戻ってくるだろう。
ありがとう、ごちそうさまでした。
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店舗情報
店舗名 | 家系ラーメン まこと家 |
住所 | 東京都品川区南品川3丁目1−10 |
電話番号 | 03-5460-5211 |
営業時間 | 9:30-27:00 |
定休日 | 水 |
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