今回のお目当ては「〇〇セット」
子供の特権には何があるだろう?
働かなくてもお年玉がもらえる。
ほしいものを買ってもらえる。
間違っても許される。
ノーノー、もっと具体的な子供だけの権利がある。
それは、お子様ランチの注文だ。
これこそ、唯一大人にできないことではないだろうか。
自分の好きなものが集結した、テンションが上がる一皿。
大人になってからはなかなか出会えない。
でもどうしても僕は諦めきれないのだ。
子供心を忘れない、成熟した大人になりたいから。
ということで、「大人のお子様ランチ」をキーワードに設定し、お店をリサーチ。
そしてヒットしたのは新宿にある洋食屋であった。
その名も、「洋食の店 ぺいざん」である。
新宿、中井駅から徒歩3~4分ほど。
外観は、年季の入った昭和の雰囲気。
オレンジと白の看板が目印。
ちなみにここは、今は亡き赤塚不二夫が愛した名店である。
天才バカボン、おそ松さんを世に生み出したギャグ帝王だ。
近所に住んでいたため、行きつけのお店だったとのこと。
その証拠がこちらの張り紙。
メニューを見ると、そのリーズナブルな値段に驚愕する。
中井駅は学生の町。
先代の「学生たちが我慢することなくもりもり食べてほしい」という想いを
受け継いでいるとのこと。
そのため、ボリュームは創業当時のままだ。
今回僕が頼んだのは、「④セット(1000円)」である。
さらに単品で白身魚(200円)を注文したので、
・ハンバーグ
・エビフライ
・コロッケ
・白身魚
まさに念願のお子様ランチの完成だ。
いや、大人様ランチと命名しよう。
運ばれてきた瞬間、僕はごくりと唾を飲み込んだ。
圧倒的ボリュームにワクワクが止まらない。
1つ1つのネタが大きく、ワンプレートの常識を超えている。
しかもこれに、白米と味噌汁。
ちなみにご飯は大盛り無料。
だが大盛りでなくとも、むしろ多めの量だ。
では、中央にそそり立つエビフライからいただこう。
僕の手首から中指まで、いやそれ以上かもしれない大きさだ。
サクッとした音から始まる、身厚な大エビフライ。
油っぽくなく、軽くてふんわりとした揚がり具合だ。
また、クリーミーなタルタルとプリプリのエビがよくマッチしている。
大興奮。やはりエビフライには人を幸せにする何かがある。
続いて、店自慢のハンバーグ。
肉感が強く、肉の旨味が引き立つ絶品。
上に乗っているフライドオニオンのアクセントと、
肉自体のシンプルなおいしさがたまらない。
また、デミグラスソースは初代から受け継いだレシピを踏襲。
その上で、現マスターのアレンジを効かせているとのこと。
コクとスパイスのバランスがよく取れていて、ご飯を片手に箸が進む。
そしてそして、コロッケ。
今まで食べた洋食の中で、1番の大きさだ。
中身のカニクリームはぎゅっと身がぎっしりで硬め。
揚げたてのほくほくで、食べ応えがある。
カニの身の甘みはクリームと調和していて、濃厚な味わい。
こんなに楽しんで味わえるコロッケは久しぶりだ。
ここで、ふと思う。
もしかして、マスターの体格とフェイスが美味しいものを作っているんじゃないか。
最後は、白身魚。
200円で提供して大丈夫なのかと思うほどの大きさ。
ぱくっとかぶりつくと、まさに高級フィレオフィッシュ。
柔らかく、フライにした旨みがより出ている。
はぁ。お腹がはちきれそう。
ここに行ってみたくなった読者へ、1つ伝えたいことがある。
それは、お腹をペコペコに空かせてから訪問することだ。
なぜなら、予想をはるかに上回るデカ盛りだから。
食いしん坊の人、そうじゃない人どちらにせよ、
100%空腹の状態で行ってほしい。
次は、ギャグ帝王がいつも注文していた「いちおしセット」を頼もう。
和風おろしハンバーグと、豚ヒレ肉の串カツ。
絶対みんなが好きな味だ。
そんな確信を持ちながら店を出る。
久しぶりに童心に帰った気分。
時代の流れと共に消えていく昭和のお店が多い中、こういう店こそ未来永劫生き残ってほしい。
そう思える一軒にまた出会うことができた。
ごちそうさまでした。
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店舗情報
店舗名 | 洋食の店 ぺいざん |
住所 | 〒161-0032 東京都新宿区中落合1丁目13−3 |
電話番号 | 03-3950-6008 |
営業時間 | 月・火・金
11:30 – 15:00 17:30 – 22:00 木 11:30 – 15:00 17:30 – 20:00 土・日 11:30 – 14:30 17:30 – 22:00 |
定休日 | 水 |
※店舗情報は変更されている場合があります。